意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

階段

駅で階段を降りていたらずいぶん独特なリズムで軽快に降りていく人に遭遇した。男である。実は私も階段に関しては独特な降り方をする一派であり「たたっ/たたっ」と小刻みに飛び跳ねるようにして降りる。この方が膝が楽だからである。別に生まれつき膝が悪いわけではないが、それでも階段を降りるとき極力足を曲げないようにしてきた。幼い頃からの癖だから背景はわからない。もしかしたら家が平屋だったからかもしれない。


今日の人はさらに軽快でアフリカの草食動物さながらにぴょんぴょん跳ねながら階段を下っていった。ひょっとしたら私も他人から見たらああなのかもしれない。みんなは当たり前のように歩くときと同じリズムで階段を降りるが、私が自然とそれができるようになったのはわりと最近である。


復活してからはあまり見なくなったが昨日は録画してあったクレイジージャーニーを見た。洞窟おじさんの回であった。洞窟おじさんの回はそんなにないが変にシリーズ化されないほうが面白いのである。今回見ていたら私の職場のおじさんに似ているなあと思い、その人も仕事ぶりは問題ないが社会の適合ぶりには首を傾げたくなる具合である。洞窟おじさんが普段何をしているかは知らないが、会社勤めだとしたら大変に苦労していると思う。しかし適合できないおじさんより、器用に適合する私たちの方が余程不幸だと思える。おじさんが洞窟にもぐっているときのような顔を私は普段はしない。私は四六時中とは言わないが苦虫を噛み潰したような顔をしている。土日は大抵平日の合間として過ぎ去っていく。