会社にはいろんな人がいる、と書いたがこの場合の会社とは固有名詞で一般名詞ではない。つまり同じような人ばかりの会社もある。いろんな人がいる会社の場合、働きの良い人と悪い人がいる。悪い人のことを「上京したばかりの田舎の人」と表現している人がいた。つまり都会の人は行き先や手順がはっきりしているから行動も早いが、その中に明らかにふらふらしている人がいる。働き蟻の中に怠け蟻がいるのと同じなのである。見れば明らかでも近くにいると案外気づかないのである。否、私が気づかないだけなのだ。周りは気づいていてもわざわざ口にしないのである。
蟻で考えると怠け蟻を無理やり働きにしても別の怠けが発生するからやっても意味ない気がしてくるが人間なので対策を講じなければいけない。あるいは講じているふりをしなければいけない。何故なら働きの一部が嫌になってしまうからである。働き蟻も怠けを見たら餌を運ぶのを嫌になってしまわないのだろうか。蟻の脳はそんな風にできていないのだろう。私たちは自分よりも楽をしている人を見ると負けたような気がしてしまう。負けたっていいじゃない、損してもいいじゃないという励ましがあるしその通りだが、その通りとなる前にいったん「ずるいな」という感情を経由しなければならない。