意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

用事は楽しい

歯医者にあるとき行ったら「親知らずを抜いた方がいい」とアドバイスされた。ただし私の親知らずは埋没しているからその歯医者では処置ができないのでと、口腔外科を紹介された。とても腕のいい先生だと言う。歯医者を替えるなり言われたから最初は聞き流していたが行く度に言われるからいよいよ紹介状を書いてもらった。とても物腰がやわらかくてもちもちした男の先生で、子供の頃に通ったどの歯医者とも違うタイプだった。こういうところも時代が変わったのだ。義理の父親は「愛想のいい歯医者は腕が悪い」と理論をよくかざしていたものだが。確かにこの医師の本来の実力はわからないが、受付の女が愛想が悪く保険証も返してくれないので、医師自体はとてもいい人なのでは? と思えるようになった。


そんな人の良い歯医者から紹介された口腔外科はバスと電車を乗り継いだ先の都内にあった。会社を早退して向かったが、初っぱなから乗りたいバスが来ないというトラブルがあった。15分待って諦めた。偽の停留所だったのかもしれない。今日は気温が高く私は途中でコートを脱いだ。向かいは豪邸で私の上司が「あそこんちはヤクザだよ」と噂する家なので私はいよいよ居心地が悪かった。


仕方なく別のバスに乗って大回りで行ったものの結局そこの医師にも「手がつけられない」と処置を諦められてしまった。これまた人の良さそうな医師で、前述の歯医者とはタイプが違うが体格が良くて熊のような外観だった。もしかしたらこの人たちは同じ部活(ラグビー部等)で汗を流した仲なのかもしれない。そうすると「腕がいい」というのは眉唾だがとにかく「申し訳ない」と平謝りするので悪い気分にはならなかった。


結局無駄にバスと電車を乗り継いだだけに終わったが初めて見る街並みをじゅうぶん楽しめたので良かった。