子供時代はあまり主張ができなかったので主張の強い子の腰巾着になることが多かった。何しろ引っ込み思案で常に腰が引けている私に対し彼らは行動力が強いから一緒にいると世界がどんどん広がった。一方で使い走りのようなこともさせられて結構早い段階でそういうのがしんどくなってきた。突然呼び出されたり無茶な要求をされた。やがてそれがあるときいじめになって私もその対策をとるうちに、誰とでも距離をとることを学んだ。
私の子供が中学生になって、仲のいい友達について昨日話を聞いたら容姿についてネタにされたり写りの悪い写真をSNSに投稿されたりして、要は下に見られているとのことだった。「話を聞く」ということだったので具体的なアドバイスはしなかったが、私はその人とは縁を切るべきだと思った。友達付き合いで消耗するのはナンセンスだと思ったからである。しかしその一方でそういう風に1か0かの判断も性急すぎる気もした。私は自分を守るために他人は誰でも自分を傷つける可能性があると思いながら生きてきた。しかし大人になってそれが一方的な考えに過ぎないことにも気づいている。傷つける可能性もあれば助けてくれる可能性もあるのである。だからやっぱり「縁を切るべき」というアドバイスはしなくて良かったのかもしれない。しかしそれでも私は少しでも孤独に強くなりたいとは思っている。