意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

夢を抱いてもしんどいだけ2

浅草の洋食店に就職した3人のうちひとりの男性は早々と退職してしまっていた。週休1日という勤務体系や寮暮らしというのに我慢ができなかったのである。転職して今はイタリアンでシェフとホールの間みたいなことをしているらしい。間、というのはサラダは盛りつけますよという意味だった。サラダというのは相手を罵倒するのにも、自分の見栄えを良くするためにも使える便利なアイテムらしい。

私の感覚なのか番組の演出なのかこの男性の器用さが鼻についた。番組の演出と言ったのはインタビューの顔の角度が絶妙にムカつくかんじで前髪も妙に長かったからである。アリとキリギリスのキリギリスに見えてしまうのである。しかし冷静になって考えると生き方としていちばん正しい(というかなんというか)のは彼である。将来ではなく、リアルタイムの自分の声に耳を傾けて行動したのである。


従業員の話ばかり書いたが、オーナーシェフの状況も身につまされるぶぶんがあった。70歳を超えて「俺の教育が間違っていたのかも」と悩むのは幸せなのか反対なのかわからなかった。