意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

国境の南でした3

およそ3分の1くらい読んだ 暗かった20代が終わり結婚して店も繁盛するところだ イズミから会葬御礼のハガキが届く イズミの従姉妹が死んだのだ イズミは最後まで主人公とセックスをさせなかったが主人公は代わりにイズミの従姉妹と脳味噌がとけるくらいやりまくる 吸引力とか竜巻のようなとか表現されていたが身勝手であることは変わりない 本人も「自分の意志にかかわらず他人を傷つける」と認めているが「で?」というかんじである その罰が暗い20代だったのだろうか 教科書をつくる会社に勤めるがまったくそこにやりがいを見いだせず毎晩独り言を言いながら酒を飲む生活を送る 私はこの暗い20代のシーンが好きである 独り言を言うところがいい 酔っぱらったときに真似をして道端の看板に話しかけたことがある 駅から家までの道は長くもう酔いは半分覚めていた それでも孤独ぶるのは楽しかった


ノルウェイの森を読んだときは主人公の誠実さに心打たれたが国境の南は傲慢さをかんじた それは上記の浮気のシーンよりも恋人ができたときに自分が相手を求めるときに相手も自分を求めているとか相手も幸せをかんじたはずだとか相手のことをわかりすぎているぶぶんにかんじた どうして相手の気持ちがここまでわかってしまうのか それが決めつけでないとどうして言えるのか 恋とはもっと心細いものではなかったのか 等思った でも自分の恋が実ったときや相手を無事に抱けたときは傲慢になってしまうのかもしれない 性行為の後は誰だって気がゆるむのである しかし私が懐かしさをかんじるのは圧倒的に心細さのほうだった


私は物語の要所で影を落とすイズミが好きなのである